本物の船頭小屋
ここは、小田急線向ヶ丘遊園駅から歩いて15分の「川崎市立 日本民家園」*1という川崎市の施設の中です。
ここには、かつて多摩川の渡し舟で使われていた、船頭小屋の本物が展示してあります。
つぎからの写真が船頭小屋です。
船頭小屋は小さい
この船頭小屋は、川崎市多摩区の「菅」という場所と対岸の「調布」を結んでいた渡船場で使われていました。
小屋の幅は昔の言い方で一間(いっけん)、現在の寸法では約180センチ、奥行もその位です。
たいへんに小さいものだったのですね。
小屋には簡単な囲炉裏が作ってあり、大人が四人座れる広さですが、かなり狭いです。
当時は日がな一日、ここでお客さんが来るのを待っていたんです。
小屋はかついで移動する
小屋の周りの四カ所には、つぎの写真のような鉄の輪が付いてました。
説明によると、この輪に木の柱を通して四人で担いで移動させた、ということです。
多摩川はときどき大水が出たので、大水が来る前に小屋を陸に移動させる必要があったのでしょう。
つぎはこの場所にある説明からです。
説明の絵には障子戸がありますけど、現在この小屋は修理中ということで、障子戸がありません。
また、小屋を担いでいる様子の絵もありました。
道標は渡船場の証人
小屋の右横には道標もありました。刻まれた文字は次のようにあります。
向テ
左 渡船場ヲ経テ調布町ニ至ル
右 川崎街道
文字は、この道標が菅の渡船場にあったことを証明していました。
菅の渡船場の対岸は調布です。
*1:川崎市立 日本民家園 https://www.nihonminkaen.jp/