多摩川の筏道

筏乗りたちが歩いた道を散策するための案内マップ

茶店の「おかつみせ」で、ひと休み 大田区下丸子

 

筏道の資料を見ていたら「おかつみせ」という名前の茶店があって、筏乗りたちがその店で一休みした、とありました。

そこで、資料を基に「おかつみせ」があったと思われる場所を探してみることにします。

資料のなかの「おかつみせ」と「下郷橋」

《引用文》

しばらく進むと、下丸子駅の少し北寄りのところで、六郷用水に突き当たります。
正面にあった橋を下郷橋といい、その角におかつみせという茶店がありました。
なんでもおかつというきれいな娘がいたとかで、六郷を発った筏乗りが最初に足を休めた場所です。

※改行しています
《引用文献》平野順治,1979,東京都大田区,『史誌 第12号』,p17

上の引用文によると、「おかつみせ」があったところには下郷橋(しもごうはし)が掛かっていたということです。

ということは、「下郷橋」の場所を特定できれば、「おかつみせ」がどこにあったのかがわかる、ということになります。

 

「下郷橋」は古い住宅地図にあった

上の絵は、住宅地図の一部をトレースしたものです。

実際の住宅地図には、青丸印のところに「下郷橋」とありました。

 

「下郷橋」と下丸子駅の位置関係を見る

引用文の内容と広範囲にした地図から、下丸子駅と「下郷橋」の位置関係がだいたいわかってきます。

 

「下郷橋」の位置を、明治時代の地図に載せる

上の地図の青丸印は、明治時代の地図に示した「下郷橋」の位置です。

引用文の内容と同じに、六郷用水が描かれています。

 

明治時代の地図で「下郷橋」を細かく見る

明治時代の地図を拡大すると、青丸印の脇に橋が掛かっているのが確認できます。

この橋が「下郷橋」でしょう。

 

現在の地図に「下郷橋」の位置を示す

現在の地図で青丸印のまわりを見ると六郷用水はありませんが、明治時代の地図で見ることができる道筋は確認できます。

 

「おかつみせ」があったと思われるところを訪ねる

全体の景色

上の絵は、現在の地図にある青丸印の場所から見た景色です。

 

昔の筏道を眺める

 

昔の筏道と六郷用水跡

 

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