はじめに
ときどき聞く言葉に「〇〇河岸」というのがあります。
魚河岸もその一つです。
ただ「油屋河岸」あぶらやかし、という言葉は初耳です。
資料によると、現在の川崎市古市場に「油屋河岸」と呼ばれた場所があったということなので、その場所を探してみることにします。
記事中、薄茶色の地図は1880年代の「迅速地図」を使っています。
迅速地図については、国土地理院の説明によると明治13〜19年に作られたとあります。
なので、「油屋河岸」は明治13〜19年に存在した、あるいは「油屋河岸」の跡が残っていた、という想定での説明です。
では最初に調査の結果を示します。
調査結果
「油屋河岸」といわれた場所の推定位置
現在の東古市場118-4は、公園になっていました。
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次は「川崎地名辞典」からの引用です。
油屋河岸
あぶらやかし
古市場1863番地の下あたり。古い流れができていた。葛西の油問屋が下平間産の菜種を買い付けて、この岸から輸送したという。
《引用文献》(編)日本地名研究所,2004,川崎市,『川崎地名辞典・下』,p131
この文面からキーワードを抜き出します。
キーワード「古市場1863番地」の位置
明治期の地図でキーワード「古市場1863番地」を見る
キーワード「古い流れ」とは何か
キーワードの「古い流れ」は水路だった
「古い流れ」の脇は堤防
ここまでは、引用文のキーワードからの検討です。
ここからは、実際に現地を歩きます。
現地を見る
地点(a)近くに調査点bを設定する
調査点bの現地写真
調査点bの旧水路の上で歩道の幅を測る
ここまでが現地での調査内容でした。
では、いままでの調査から考察をします。
考察する
地点(a)近くで舟を取り回せる場所を探す
舟を取り回せる場所を「船着き場」とした
船着き場の岸辺を現在の地図に示す
明治時代の地図を使って油屋河岸の位置がわかりました。
では、現在の地図を使って位置を見ることにします。